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松井 裕哉; 矢萩 良二*; 石塚 光*; 戸栗 智仁*
WIT Transactions on Ecology and the Environment, Vol.247, p.145 - 159, 2020/00
原子力機構が掘削した瑞浪超深地層研究所の深度500m研究坑道において小断面坑道における全断面吹付け施工による埋め戻し材の施工試験を実施した。埋め戻し材の透水性は、周辺岩盤の透水性と同等以下を目標とし、原子力発電環境整備機構(NUMO)が示した有効粘土密度と透水係数の関係から原位置で施工した埋め戻し材の密度は0.4Mg/m以上の有効粘土密度となるように考え、その品質管理手法も含めた実証的原位置試験を実施した。その結果、本試験で用いた品質管理手法により目標となる埋め戻し材の有効粘土密度を確保でき、地下深部においても適用可能な方法を示した。この試験は、経済産業省資源エネルギー庁からの受託研究の一部として実施したものである。
山口 徹治; 中山 真一
JAERI-Conf 2003-018, p.115 - 116, 2003/10
ベントナイト系材料内におけるNp(IV)の有効拡散係数を炭酸イオン共存系で、Pu(IV)の有効拡散係数をフルボ酸共存系で取得した。また、負に帯電した鉱物表面に対する、アクチニド元素の吸着を、アクチニド元素がおもに負電荷を持つ錯体として溶存している条件で調べた。これらの研究の結果は多様な深部地下環境下における核種移行挙動を評価するために用いられる。
加藤 智子; 石原 義尚; 鈴木 祐二*; 内藤 守正; 石黒 勝彦; 池田 孝夫*; Richard, L.*
JNC TN8400 2001-003, 128 Pages, 2001/03
高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価では、地下深部に埋設された高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性核種が地下水によって人間の生活環境に運ばれることを想定し、その移行プロセスと被ばく経路からなる生物圏モデルを作成して線量を推定する。安全評価は極めて長い時間を対象とするため、一万年先頃に到来すると考えられる地球規模の氷期などの気候変動により、地球規模で地表の環境は著しい影響を受けることが想定されるとともに、人間生活への影響も大きくなる。このような気候変動や関連する要因により、現在の生活環境と比べはるかに異なる環境に放射性核種が流入することを想定する必要がある場合には、その起こりうる将来の環境の状態と整合性を図った代替の生物圏モデルをいくつか想定しておくことが合理的であると考えられる。本報告書では、気候変動による生物圏システムへの影響を生物圏モデルに取り入れた場合、その影響がどの程度のものとなるかを把握することを目的に検討を行った。検討にあたっては、気候変動によるシステムへの影響の取り扱いについては世界中に現存する気候状態をアナログとして利用し、作成された生物圏モデルから求まる線量への換算係数を、現在の気候状態を想定したシステムのものと比較することによって行った。
嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫
JNC TN8430 2000-010, 27 Pages, 2000/07
放射性廃棄物を地層処分する場合、地下水、緩衝材、放射性廃棄物などに含まれる多種多様の有機物が、地下深部に存在する微生物及び処分施設建設時に地表付近から処分施設に持ち込まれる微生物の炭素源となることが考えられる。微生物が有機物を炭素源として利用した場合、二酸化炭素などのガスを発生させる。このガス発生は、地層処分システムの安全性に影響を与える一つの要因と考えられる。本研究では、ガス発生の観点から、メタン生成細菌の活動に着目し、微生物の活動にともなうガス発生に対する有機物の違いによる影響を調査するため、地下水に比較的多く含まれるフミン酸、ベントナイトに含まれる酢酸などの有機物を対象に微生物の有機物分解にともなって発生するメタン及び二酸化炭素の量を測定することとした。試験は嫌気条件で実施し、培養温度は35とした。有機物濃度は培養液に対して100mg/lとなるように調製した。また、pHがガス発生量に与える影響を調査するため、pHをパラメータとすることとした。その結果、フミン酸はメタン生成細菌の炭素源になりにくいこと、また、酢酸などを使用した試験結果から、pHが高くなれば、メタン生成細菌の活動にともなって発生するメタンの量が減少することが示された。なお、二酸化炭素の発生量がpHの上昇にともなって減少することは確認できなかった。
長谷川 健
JNC TN7400 2000-004, 21 Pages, 1999/12
東濃地科学センターでは、地層処分研究開発の基盤である地層科学研究の一環として、広域地下水流動研究を平成4年度から実施している。広域地下水流動研究は、東濃鉱山を中心とした約10km10kmの地域(図1参照)を対象に、地下水の流れを明らかにするための研究のみならず、地質・地質構造、地下水の地球化学などの分野の研究を包含した総合的な地質環境を把握するための調査研究である。この研究においては、地下深部のデータを直接取得できる試錐孔を用いた調査研究が非常に重要であり、地下深部の地質や地質構造に関する調査研究、地下水の流れに関する調査研究、地下水の水質に関する研究など1本の試錐孔を用いて多角的に実施されている。本報告書は、広域地下水流動研究のため試錐孔として4番目に掘削されたDH-4号孔で行われた試錐掘削ならびに各種調査研究の結果の概要をまとめたものである。DH-4号孔では泉町河合地内に掘削され、掘削深度は約550mである。詳細な位置については、図1を参照されたい。
黒木 繁盛; 谷口 航; 小尾 繁*; 長谷川 宏; 杉野 弘幸; 窪田 茂*; 出羽 克之*
JNC TN8400 99-037, 281 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物の地層処分場において、人間の安全な生活環境を維持するという基本的な考え方のもと、地下数百m1,000m程度の地下深部に坑道を掘削し、廃棄体を埋設することが計画されている。その際、建設・操業・閉鎖の作業安全性を確保するため、各段階を通して坑道が力学的に安定していることが求められる。ここでは、第2次取りまとめで求められる処分技術の技術的信頼性を示すため、その要件となる坑道の力学的安定性を解析により評価した。具体的には、各坑道で必要となる断面を設定し、理論解析、有限要素法解析を用いて坑道掘削時の安定性、坑道交差部および地震時の安定性について検討を行った。本検討により得られた結果を以下に示す。・現状の技術で坑道の掘削が可能であると考えられ、適切な支保工を設置し、十分な坑道離間距離および処分孔間隔をとれば坑道の力学的安定性は確保できる。・坑道交差部においては、適切な補強工を施すことにより坑道の力学的安定性は確保される。なお、補強が必要となる範囲は、今回検討を行った交差角度30では鋭角側に4D、鋭角側に1Dの範囲である。・過去に起こった巨大著名地震を想定して検討を行ったところ、坑道の力学的安定性に及ぼす地震の影響は小さく、坑道の掘削時の安定性が確保されれば地震に対しては安定であることが分かった。
泊里 治夫*; 枡形 剛*; 下郡 一利*; 和田 隆太郎*; 本田 明; 谷口 直樹
JNC TN8400 99-076, 100 Pages, 1999/10
高レベル放射性廃棄物の地層処分においてオーバーパックの候補材料のひとつであるチタンの水素吸収挙動に関して、模擬地下水中でのベントナイト、印加電位、溶液のpH、陰分極試験時間の影響を検討した。水素吸収量の時間依存性を基に、水素吸収が放射物線則に従うと仮定して求めた水素吸収速度式から算出した1000年後の水素吸収量は、水素平衡電位近傍である-0.51Vvs.SHEでは約17ppmとなった。単位面積あたりの水素吸収量と平均の電解電流の対数との関係は直線性が得られ、水素吸収量の放射物則および今回行った程度の試験時間からの評価の妥当性が確認された。また、チタン中の水素量が約500ppmを超えた時点が脆化に対する臨界値と仮定した場合、チタンは地層処分環境下では1000年以上の寿命を有すると推察された。
平田 洋一*; 小川 賢*
PNC TJ7439 98-003, 171 Pages, 1998/08
本業務は、大深度の立坑(数百千m程度)および坑道の掘削を伴う調査研究等において、その周辺に掘削した試錐孔内で大きな差圧が発生する場合でも長期間に亘り連続して最大20区間の間隙水圧の測定および採水作業を行うことができる深度1,000m対応の長期モニタリング装置を製作するものである。本装置は、大きくダウンホールユニット、インナープローブユニット、データ観測・制御装置で構成される。以下に、本装置の主な特徴を示す。・最大30kgf/c㎡の差圧環境下での間隙水圧測定および地下水の採水が可能・深度1,000m、孔径86120mmまでの試錐孔に適用が可能・摂氏70までの温度環境下での適用が可能・水圧観測用圧力計に水晶発振式の小型で高精度な絶対圧力計を採用・観測区間の圧力等を維持した状態で、地下水を地上に回収可能本装置の製作に伴い室内試験および孔内性能試験を実施した結果、ダウンホールユニット、インナープローブユニット、データ観測・制御装置の全機能について正常に作動することが確認された。
not registered
PNC TN1311 95-002, 16 Pages, 1995/03
1.概要(1)動燃事業団のウラン資源探査(2)ウラン資源を巡る最近の状況2.動燃事業団のウラン資源探査(1)基本的考え方(2)具体的な実施方策(3)探査プロジェクトの概要(4)資源情報の収集・解析の作業例3.最近のウラン資源を取り巻く状況(1)ウラン資源量(2)ウラン生産・需要・価格(3)ウラン生産・鉱山権益の寡占化(4)環境規制・審査プロセス強化による新規鉱山開発の遅れ(5)自然保護の動きと先住民権利保護の運動(6)放射線防護基準改定に伴う技術開発と採掘コスト見直し(7)鉱床探査深度の増加に対する技術的対応4.〔添付〕ウラン探査写真集
下岡 謙司; 須田 真太郎*; 荒木 邦夫
JAERI-M 82-163, 47 Pages, 1982/11
地下深部における岩盤の熱伝導率を測定する手法として、ヒーター加熱による岩盤の温度上昇から熱伝導率を求める手法について述べたものである。変朽安山岩体内部で地表面下約90mの深さの坑道側壁に、水平・平行に6本のボーリング孔を壁面から2.5m~4.5mの深さに掘り、そのうち1本に電気ヒータを設置し開口部をセメントで埋めた。他の5本にはヒータ中心からの距離0.5~2.0mで熱電対11本を埋め込み開口部を全てセメントで塞いだ。47mm、長さ1mのヒータに、出力880Wで61日間通電し、周囲の岩盤の温度上昇を測定した。岩盤の熱伝導率は、岩盤が均質で無限大であり、熱伝導率は温度に依らず一定、という仮定のもとに定常計算により求められ、2.1W/m・Cという値が得られた。この値はコアーサンプルの実験室での測定値1.5~1.6W/m・Cと比較するとわずかに大きな値である。
渡部 豪; 浅森 浩一
no journal, ,
地層処分に係る地質環境の長期安定性を検討する上で、地形的に不明瞭な活断層が活動する可能性を評価することは重要な課題の一つである。南九州には、国土地理院のGNSS観測網で得られたGNSS速度データのひずみ解析より、10e-7/yr超のせん断ひずみ速度の大きな領域(南九州せん断帯)が九州地方を東西に横切る帯状の形で存在する。しかし、同領域内では、上記のせん断ひずみ速度に対応する明瞭な活断層が認められていないことや、マグニチュード5-6クラスの内陸地震が発生していることから、地下深部のすべり(断層運動)によって地表で大きな変形が生じていることが予想される。本研究では、同せん断帯周辺の地殻変動を明らかにするために、10か所のGNSS稠密観測網を構築し、約三年間のデータから、固着域の最深部が約15kmであること、この深さ以深で約14mm/yrの速度で左横ずれのすべりが生じていることを明らかにした。